moi.toi. exhibition ' for '

 

- Concept -

故人への最後の贈り物は、何がいいだろうか。

歌い手が歌を歌うように、画家が絵を描くように、私はジュエリーを作ることにした。
何か完成品を購入して贈ることは考えられなかった。
祖母が愛したもので、ジュエリーを作ることが良いと判断した。
千代紙を使うことにした。
意匠を凝らせば、感謝と愛という純粋な想いから遠ざかるように感じたが、千代紙は折り紙なので花を折った。
花を糸で繋ぎ合わせ終わった瞬間、千代紙はジュエリーになり、私の想いは祖母に近付いた。
(2017年5月11日 日記)

ジュエリーは、衣服が‘肌を守る’ような生命を維持する為の存在ではなく、
必要性がない存在(それは異物となる)であるが故に、
直接身肌に触れ受け入れる時、
“自分(身体・心)”の一部になり得るほどの影響力を持ちます。
影響を及ぼすということは、贈り物である場合、贈り主の意図(望み)への共感を得られる可能性を持ちます。
私は、共感を求めてジュエリーを作ることに気付きました。

心に掲げるよう、新しい作品を作りました。
千代紙を折って意匠を凝らすことを許した、それが印象的に記憶にあり、制作する上で紙を折ることを条件としました。

私は紙を折って出来る筋を火で焼き、刻印しました。
紙に火を点けては1秒も経たぬ間に水に沈め、火はあまりにも強く、また同じように水も強く、その力を借りながらの繰り返す作業、そして一瞬で紙に残されていくそれぞれ形の異なる形跡に、命のようなものを感じました。
祖母へ贈った時のように、感謝と愛、命への畏敬の念を心に留めながら制作し、そしてこれらがより近いものとなるよう、ここからジュエリーへ昇華していこうと思います。

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5日で無事終了いたしました。

贅沢な時間を過ごすことができました。お越しくださりありがとうございました。

ジュエリーに昇華する前の段階を見ていただくという、自分としては新しい試みでした。立ち返るきっかけとなりました。

これからじっくりと時間かけ、ジュエリーに落とし込んでいこうと思います。

 

CAPCAで開催することが大切なことでした。

CAPCAはどの建物とも同じように、囲い、守り、行き先を教えてくれるように灯りがともる場所です。

目まぐるしく人も環境も変わっていくけど、変わらずにいてくれることが嬉しいです。